2型糖尿病患者が自己管理行動を行う理由がどのように決定づけられているかを問う日本語版糖尿病自己管理行動の動機づけ尺度(TSRQ-DJ)を開発し,その信頼性・妥当性を検証した.オンライン調査会社に登録する糖尿病患者を対象に質問紙調査を実施し,510部の有効回答を得た.オリジナル版と同じ2因子19項目構造では,モデルの適合度が低かったため,質問項目を精選し,2因子14項目の構成とした.その結果,モデルの適合性が示され,Cronbach's α=0.91と高い信頼性を認めた.下位尺度の「自律的動機」と「統制的動機」は正の相関(rs=0.49)を示し,J-SDSCA-r,PCDSと各下位尺度は正の相関関係を認めた.これらの結果は,オリジナル版と類似した特性を示した.以上より,TSRQ-DJは一定の信頼性と妥当性を備えた尺度であることが確認され,日本語版としての使用可能性が示された.